はじめに
- Shopifyの更新が多くて、追いきれない
- 自分のストアに関係ある変更だけを知りたい
- 英語の変更履歴を読むのが大変
このような方のための記事です。
この記事では、2026年10月にShopifyが発表した変更のうち、ストアの運営に関わるものを中心に、何が変わったのかと、やることがあるかどうかを解説します。元にしたのはストア運営者向けの変更履歴とShopify.devの開発者向けの変更履歴で、10月の発表はそれぞれ45件と69件でした。

ストア運営者向けの主な変更
Canvasでストア全体を見ながら編集できる
10月1日から、オンラインストアの新しい編集画面のCanvasが、順次使えるようになっています。ストアのすべてのページが1つの大きな画面に並び、全体を見渡しながら好きなページを拡大して直せます。
- 画面の中の要素をクリックして、その場で編集できる
- Sidekickに「ここをこう変えて」と頼むと、変更がすぐ画面に反映される
- 実際に動くストアとして、商品やコレクション、画面の幅を切り替えて確かめられる
使うには、オンラインストアのテーマの画面から、Canvasで新しくテーマを作るか、今のテーマを複製してCanvasで開きます。元のテーマは、これまでのテーマエディタに残ります。
ただし、始まったばかりのいまは、できないことがはっきりあります。テーマストアで買った他社のテーマ、マーケット、Rollouts、翻訳、アプリのブロックとアプリの埋め込みには対応していません。また、Canvasで編集したテーマにはテーマのアップデートが届きません。アプリや翻訳を使っている公開中のストアは、すぐに切り替えず、複製したテーマで試すのが安全です。
注文をまとめて発送できる
10月16日から、複数の注文をひとまとまりにして発送の作業を進められるようになりました。商品の種類や届け先などの条件で、最大250件の発送をまとめられます。
まとめた注文は、初期設定では次の3つの手順で進みます。
- ピッキング:まとめた注文に入っている商品を、1枚のリストに印刷する
- 印刷:送り状をまとめて買い、納品書や送り状、税関の書類を一度に印刷する
- 梱包:商品のバーコードを読み取って確かめる。正しい商品なら音と緑のチェック、違う商品なら警告の音と赤いアイコンが出る
手順の追加や削除、並べ替え、各手順の担当スタッフの割り当てもできます。注文の画面で発送したい注文を選び、まとめる操作をすると始められます。1日に何十件も発送するストアでは、作業の取り違えを減らせます。
管理画面で棚卸しができる
10月20日から、管理画面で棚卸しを作り、記録し、確かめられるようになりました。棚卸しとは、棚にある実際の在庫を数えて、Shopifyの在庫数と合っているかを確かめる作業です。これまで表計算ソフトで数えていた場合も、作業をShopifyの中で完結できます。
- 棚卸しを作り、日時を決めておける
- 商品は検索で選ぶか、バーコードを読み取って加える
- 担当のスタッフを決め、管理画面かPOSで数えてもらえる
- 複数のスタッフが同じ棚卸しに数を入れても、上書きされない
- 数えた数と記録上の数の差を確かめてから、在庫に反映する
誰が棚卸しをできるか、誰が結果を承認できるかを分ける権限も新しく増えました。スタッフに任せる前に、権限を設定しておいてください。
ストアの外へのリンクで確認が出ることがある
10月20日から、ストアのリンクからほかのWebサイトに移るとき、お客様に確認の画面が出るようになりました。思いがけない転送から、お客様を守るための仕組みです。
最初はストアの外へのリンクすべてで確認が出ていましたが、10月23日に変更されました。いまは、Shopifyが危険と判断したサイトへのリンクだけを止め、怪しいサイトへのリンクでは確認を出します。それ以外のサイトには、これまでどおりそのまま移動します。
ストアにつないだドメインと、Shopifyや対応しているSNSのサイトでは確認が出ません。一方で、自社のサイトでもストアにつないでいないものは、確認が出る場合があります。ブログや別のサイトにリンクしている場合は、一度クリックして確かめておくと安心です。
バリエーションを商品ページで編集できるようになる
10月29日に、色やサイズなどのバリエーションを、商品ページの中で編集できるようにすると発表されました。これまでのように、商品の画面とバリエーションの画面を行き来する必要がなくなります。
- 商品の情報を見たまま、バリエーションを編集できる
- バリエーションを検索や絞り込みで探し、オプションごとにまとめて表示できる
- 詳しい表示と表の表示を切り替えられる
- 価格や配送の設定などを、複数のバリエーションでまとめて変えられる
Shopify Plus以上のプランは、いまTest Drivesで先に試せて、12月12日に自動で切り替わります。そのほかのプランは12月から順次切り替わり、設定は不要です。
Shopify Flowでスタッフの権限が確かめられるようになった
10月28日から、Shopify Flowが管理画面のスタッフの権限に合わせて動くようになりました。Shopify Flowは、条件を決めて作業を自動にするShopifyの無料アプリです。
これまでは、Flowの権限が1つあればFlowのすべての操作ができました。いまは、ワークフローの中の手順ごとに、そのスタッフが管理画面で同じ操作をする権限を持っているかが確かめられます。たとえば、お客様にタグを付ける手順があるワークフローには、お客様を編集する権限が必要です。
権限が足りないスタッフも、ワークフローを作って下書きに保存することはできますが、テストや有効にする操作はできません。すでに動いているワークフローは止まらず、ストアのオーナーはこれまでどおりすべての操作ができます。スタッフにFlowを任せている場合は、設定のユーザーにある役割を見直してください。
そのほかのストア運営者向けの変更
- ストア分析にメモを残せる:キャンペーンの開始日など、数字が動いた理由をグラフの横に書き残せます。レポートの権限があるスタッフと共有されます
- ストア分析のレポートが増えた:発注書のレポート、注文の多い地域を地図の円の大きさで見られるバブルマップ、対応アプリのメール配信などの記録を見られるアプリのイベントが加わりました
- ポリシーを自動で作れる:返品と返金、連絡先、利用規約、配送、法的事項のポリシーを、ストアの設定に合わせて自動で作り、設定の変更に合わせて更新できます。内容の責任はストアにあるので、日本の特定商取引法の表記などは自分で確かめてください
- チェックアウトのポリシーのリンクが1つに:チェックアウトの下に並んでいた各ポリシーのリンクが、利用規約とポリシーの1つのリンクにまとまりました。ポリシーの中身は変わらず、やることはありません
- AIに見せる情報を管理画面で:AIの買い物エージェントに渡すストアの情報を確かめて公開するナレッジベースが、管理画面に入りました。単体のKnowledge Baseアプリは2027年1月15日で使えなくなります
- AIに元の価格も共有:セール前の価格が、Shopify Catalogを通じてAIの買い物エージェントにも渡るようになりました。管理画面の設定で止められます
- 販売チャネルごとに商品の情報を変えられる:Googleなど販売チャネルごとに、商品名や画像などをどの項目から送るかを決め、足りない項目を割合で確かめられます
- Rolloutsで割引とカタログも予約:テーマやチェックアウトの変更と一緒に、割引やマーケットごとのカタログの切り替えも、日時を決めて出したり見比べたりできます
- 注文の未払いの残高を免除できる:受け取らないと決めた残高を、注文の画面から免除できます。新しいスタッフの権限が必要です
- 下書き注文に定期購入の商品:定期購入アプリの商品を下書き注文に入れて、請求書を送れるようになりました
- バーコードのGTINの候補を表示:入力したバーコードを、GTINを発行するGS1の登録情報と照らし合わせ、種類をGTINにする候補を出します。無視しても商品には影響しません
- Shopify Flowの追加:商品の更新で動くトリガーと、送り状を自動で買うアクションが加わりました
- Sidekickの追加:チェックアウトとアカウントページの編集画面で質問できるようになり、背景が透明な画像も作れるようになりました。ホームの提案には、Web検索や対応アプリのデータも使われます
- 管理画面の検索が速く:新しいデザインの管理画面で、ページや設定、アプリをまとめて探せます。MacはCommandとK、WindowsはControlとKで開けます
- スマホのShopifyアプリが新しく:起動と画面の切り替えが速くなり、見た目が管理画面の新しいデザインにそろいました
- Campaign Autopilotがすべてのストアに:予算を決めると、Meta広告などの広告をまとめて組み立てて運用する機能が、すべてのストアで使えるようになりました。SEOの改善の提案も出ます
- ShopでカートがPCとスマホで同期:Shopを使っているお客様は、閲覧中から本人と分かるようになり、チェックアウトが速くなったり、カートが端末をまたいで引き継がれたりします
- ShopifyメッセージングでWhatsAppの自動配信:カゴ落ちなどのWhatsAppの配信を自動にできます。日本ではLINEが主流なので、主に海外のお客様に販売しているストア向けです

実店舗のPOSの変更
- よく使うタイルの提案:スタッフがよく使う商品や割引から、POSの画面に置くタイルを提案します。追加するかどうかは自分で決め、1年使っていないタイルを外す提案も出ます
- 店頭のお客様を自動で顧客リストに:Shopifyペイメントで買い物をしたことのあるお客様が、デジタルのレシートを選ぶと、連絡先を聞かなくても顧客リストに入ります。POSアプリのバージョン11.17以上と、管理画面でShopify Network Intelligenceをオンにすることが必要です
- POSで棚卸し:上で紹介した管理画面の棚卸しを、担当のスタッフがPOSで進められます
日本のストアには関係しない変更
次の変更は対象の国が限られていて、日本のストアには関係しません。
- Balanceから海外の仕入れ先に支払い:アメリカのストアが対象です
- Translate & Adaptの自動翻訳の同期:EUとイギリスなどの12か国と、アメリカとカナダのストアが対象です。自動で翻訳できる言語も2つから8つに増えました
- Royal Mailの受け取り場所:イギリスで、チェックアウトでRoyal Mailの受け取り場所を選べるようになりました
- DHLの送り状:オランダとポーランドから発送するストアで、Shopifyで送り状を買えるようになりました
- イギリスのVAT:イギリス向けの注文で、発送する拠点に合わせてVATが計算されるようになりました
- EUの商品識別番号:11月1日から、EUに送る150ユーロ未満の荷物に3つの商品識別番号が必要になりました。Shopify ShippingやManaged Marketsで送り状を買う場合は、Shopifyが書類に入れます
アプリや開発に関わる変更
アプリを作っている方や、制作会社に開発を頼んでいる方に向けて、主なものだけ挙げます。
- 期限のあるアクセストークンへの移行:公開アプリは2027年1月1日までに、期限のあるオフラインアクセストークンに移る必要があります。間に合わないと、アプリストアから外れて新しいインストールができなくなり、4月1日からはAdmin APIへの要求が拒否されます。カスタムアプリは対象外です
- アプリの安全対策:AI Toolkitの1つの指示で、Shopify特有の弱点を調べる確認が使えるようになりました。Dev DashboardでのIPアドレスの許可リストや、
shopify.app.tomlでの通信先の制限も加わりました - Polaris 2.0が正式版に:管理画面の新しいデザインに合わせたPolaris 2.0が安定版になりました。自動では切り替わらず、読み込むファイルを
polaris-2.jsに変える必要があります - API 2026-10:お客様からの注文の変更の依頼を扱うAPIや、Rolloutsの情報を読むAPIなどが加わりました。Hydrogen 2026-10も公開されています
- Global Catalog REST APIの停止:11月2日で止まります。使っているアプリは、UCPに対応したGlobal Catalog MCPへの移行が必要です
- App Events:アプリの動きをストア分析のレポートに送れるようになりました
- テーマにアプリを付けて販売:テーマストアのテーマに、テーマ用のアプリを1つ付けて紹介できるようになりました
- アプリからSidekickを呼び出す:App Bridgeから、Sidekickとの会話を始められるようになりました
さいごに
10月は、Canvasや注文のまとめて発送、棚卸しなど、日々の作業が変わる機能が多く出た月でした。ストアの外へのリンクの確認と、Shopify Flowを使うスタッフの権限は確認しておいてください。12月からはバリエーションの画面も変わります。
Shopifyの変更は、毎月この形でまとめていきます。ぜひ参考にしてみてください。
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