はじめに
- Shopifyのカスタムアプリを外注したいが、費用の相場が分からない
- 開発会社の見積もりを比べたいが、何で金額が変わるのか分からない
- 依頼する前に、こちらで何を決めておけばいいのか知りたい
このような方のための記事です。
Shopifyのカスタムアプリ開発の費用は、公開されている開発会社の料金や相場で数十万円から数百万円まで幅があります。RYXの料金は15万円からです。幅が広いのは、画面の数や連携先に加えて、ストアのプラン、入れる店舗の数、顧客データを扱うかどうかで、作れるものと手間が変わるからです。
この記事では、Shopifyのアプリを自分で6本つくってApp Storeに出している立場から、カスタムアプリの費用の決まり方と、依頼する前に決めておくと見積もりを比べやすくなることを解説します。ストアそのものの制作費はShopify制作の相場の記事にまとめています。
公開アプリとカスタムアプリの違い
Shopifyのアプリの配り方は2つです。App Storeに載せて多くのストアに入れてもらう公開アプリと、特定のストアのためだけに作るカスタムアプリです。カスタムアプリを入れられるのは、1つのストアか、同じShopify Plusの組織に属するストアだけです。Shopifyの審査はありません。
カスタムアプリはShopifyの課金の仕組みで料金を取れないので、開発費も保守も、依頼主と開発者の直接の契約になります。配り方は選んだあとに変えられません。最初はカスタムで作り、あとでApp Storeに出すという進め方はできないので、ほかの店にも売りたい構想があるなら最初に伝えてください。
2026年は作り方も変わりました。以前はストアの管理画面から作れたカスタムアプリは、2026年1月1日から新しく作れなくなり、開発者向けのDev DashboardかShopify CLIで作る形になっています。すでに管理画面で作ったアプリはそのまま動きます。
Dev Dashboardで直接作るのに向いているのは、管理画面に画面を持たないAPI連携だけのアプリです。設定ページや店頭に出す拡張があるアプリは、Shopify CLIで作るのが公式の推奨です。どちらで作っても、カスタムアプリはインストール用のリンクからストアに入れます。


作らずに済むかを先に見分ける
カスタムアプリは、作ったあとも保守の費用がかかります。依頼の前に、次の順で作らずに済む方法がないかを確かめてください。
- 標準機能とテーマの設定でできないか
- Shopify Flowで自動化できないか
- App Storeの既製アプリで足りないか
- 足りない部分だけをカスタムアプリにする
Shopify FlowはBasicからPlusまでのプランで、無料で使えます。注文や在庫の変化をきっかけにタグを付ける、担当者に知らせるといった、条件と動作の組み合わせで書ける作業はFlowで組めます。外部のシステムにデータを送る「HTTPリクエストを送信」は、Grow以上のプランで使えます。
外部記事help.shopify.com/en/manual/shopify-flowhelp.shopify.com
既製アプリを選ぶときは、月額だけで比べず、ストアに入っているアプリの本数と表示速度も見てください。見直し方はアプリの本数の記事で解説しています。
カスタムアプリを作る価値が出るのは、自社の業務の決まりにアプリを合わせたいときです。会員ランクを毎年決まった日に付け直す、基幹システムと注文を合わせる、といった仕事がこれに当たります。会員ランクの年次リセットは、実際にカスタムアプリとして作って納品しました。ポイント制度を自社の決まりで作る場合はShopifyで独自ポイントを作る方法で詳しく書いています。

カスタムアプリの費用が決まる要素
金額を大きく動かすのは、次の7つです。
- 画面の数と場所:管理画面の設定ページ、商品や注文の画面に出す管理画面の拡張、店頭に出すテーマの拡張。場所ごとに作り方が違います
- 連携先:基幹システムや会計、配送などの外部サービス。相手のAPIの資料とテスト用の環境があるかで手間が変わります
- Shopify Functions:割引・配送・決済の条件をShopifyの中で計算する仕組みです。カスタムアプリに入れたFunctionsは、Shopify Plusのストアでしか使えません
- 顧客データ:名前・メール・住所・電話を扱うと、守る要件が増えます
- データの量:商品や注文の件数が多いと、APIの呼び出しの上限に合わせて分けて処理する作りが要ります
- 店舗の数:Plusでない店が複数のストアを持つ場合、ストアごとにアプリを用意します
- 納品後の保守:APIの更新とサーバーの見張り
Functionsの制限は、開発用のストアでは動くので、本番の通常プランのストアに入れて初めて効かないと分かる形で表に出ます。割引や配送の計算を作りたいときは、ストアのプランを最初に確かめてください。
顧客データは、会員ランクの年次リセットのアプリでも手順が1つ増えました。使う顧客データをShopifyに申告するまで、アプリから顧客を読めなかったためです。名前やメールまで扱う場合は、保存するデータの暗号化や、テスト用と本番のデータを分けることなど、公式が定める要件を満たす作りにします。

規模別の費用の幅
RYXの料金ページでは、規模ごとの目安を次のように出しています。
| 規模 | 内容 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 簡易ツール | 単機能の小さなもの | 15万円〜 |
| スタンダード | Shopifyアプリ・業務ツールの基本 | 30万円〜 |
| フルカスタム | 大規模な業務システム・複数の連携 | 80万円〜 |
ほかの会社が公開している相場も幅が大きく、ある発注支援の会社は単純な機能で数十万〜100万円台、外部APIとの連携や複数の機能を含むと100万〜数百万円としています。別の開発会社は小規模で50万〜150万円、中規模で150万〜500万円です。
外部記事playbit.co.jp/magazine/article/5113/playbit.co.jp
予算10万円から相談でき、日時指定のアプリを3万円程度から、送り状の発行と基幹システムの連携のアプリを20万円程度で作った開発会社の例もあります。
同じ小規模でも下限に差があるのは、要件の整理、テスト、納品後の保証まで、どこまでを金額に含めるかが会社ごとに違うからです。見積もりを比べるときは、総額より先に含まれる作業をそろえてください。RYXの料金には、要件の整理から設計、実装、テスト、公開から1か月以内に見つかった不具合の修正までが入っています。
アプリを動かすサーバーとデータベースの月額は、開発費とは別にかかります。アプリの本体はShopifyの外のサーバーに置くので、ホスティングの会社と契約します。
外部記事About deploymentLearn how to choose a hosting service and deploy your Shopify app.shopify.dev
見積もりの前に決めること
次の6つが決まっていると、開発会社ごとの見積もりを同じ条件で比べられます。
- 解きたい作業と、使う人:誰が、どの画面で、どのくらいの頻度で使うか。今の手作業の手順を書き出したものがあると早く進みます
- 入れるストア:1店舗だけか、ストアを増やす予定や、ほかの店に売る構想があるか
- ストアのプラン:Plusかどうか。Functionsを使えるかが変わります
- 扱うデータ:顧客の名前やメールを使うか、商品と注文は何件あるか
- 連携先:つなぐシステムの名前と、APIの資料・テスト環境の有無
- 名義と保守:サーバーの契約とソースコードを誰の名義にするか、納品後の保守を付けるか
名義は後回しにされがちですが、サーバーやコードの置き場所が開発者の名義のままだと、開発者を変えるときに引き継ぎの手間が増えます。最初から依頼主の名義で契約しておくと安全です。

納品後の保守が要る理由
カスタムアプリは、納品した時点のままでは動き続けません。ShopifyはAPIの新しいバージョンを3か月ごと、1月・4月・7月・10月の1日に出していて、1つのバージョンを使えるのは最低12か月です。毎年、次のバージョンへ移す作業がまわってきます。
使えなくなったバージョンを呼んだままにしておくと、Shopifyはエラーを返さず、使える中で一番古いバージョンで答えます。項目の名前や返す値が変わっていれば、エラーが出ないまま動きだけが変わります。管理画面やチェックアウトに出す拡張は、12か月より古いバージョンを指定したままだとShopify CLIでデプロイできなくなり、小さな文言の直しを出す前にバージョンの更新が要ります。
自分のアプリでも、2026年10月にDev Dashboardへ「古い拡張機能 API バージョン」の警告が出ました。あとから足した拡張だけが、1年前のバージョンのまま残っていました。ほかにも、サーバーとデータベースの見張り、Webhookの失敗の確認、Shopifyの仕様変更への対応が納品後の仕事です。
RYXのアプリ保守は、ライトが月30,000円、フルが月50,000円で、どちらも税抜きです。保守は任意で、付ける場合は公開の翌月から始まります。公開から1か月以内に見つかったこちらの作りの誤りは、保守を付けなくても無料で直します。プランの違いはサービスと料金をご覧ください。

さいごに
カスタムアプリの費用は、画面と連携先に加えて、ストアのプラン、店舗の数、顧客データの扱いで変わります。依頼の前に作らずに済む方法を確かめ、入れるストアとプラン、扱うデータ、名義を決めておくと、見積もりを同じ条件で比べられます。APIの更新は年4回あるので、保守の月額も最初の予算に入れておいてください。
作るかどうかの判断からでも、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

