はじめに
- Shopifyの決算のニュースを見たけれど、数字が店にどう関係するのか分からない
- これからShopifyに乗り換えるか迷っていて、Shopifyという会社が今どうなのかを知りたい
- 英語の決算資料を読む時間はないので、要点だけ日本語で押さえたい
このような方のための記事です。
この記事では、Shopifyが2026年11月3日に発表した2026年7〜9月期の決算を、ストアを運営する側の目線で解説します。株を買うかどうかの話はしません。Shopifyで店を開く・続ける判断に必要なところだけに絞ります。
Shopifyの2026年7〜9月期決算の要点
まず4つの数字だけ押さえてください。

取扱高は、Shopifyで動いている店で売れた金額の合計です。英語ではGMVと呼ばれます。1,191億ドルで、前の年の同じ時期の920億ドルから29%増えました。為替の影響を除くと30%増です。
売上はShopifyという会社自身の売上で、37億4,200万ドル、前の年から32%増です。店の売上が増えると、決済の手数料などでShopifyの売上も増える形になっています。
営業利益は本業でのもうけで、5億6,800万ドル、前の年の3億4,300万ドルから66%増えました。売上の伸びより利益の伸びが大きく、伸びながら利益も出している状態です。
手元に残るお金の割合は、売上のうち自由に使えるお金として残った割合です。英語ではフリーキャッシュフローの利益率と言います。22%で、前の年の18%から上がりました。
外部記事Document/Archives/edgar/data/1594805/000159480526000067/exhibit991pressreleaseq320.htmsec.gov
社長のHarley Finkelstein氏はXで、取扱高の伸びが20%を超えたのは13四半期続けてだと書いています。3年以上、毎期2割以上のペースで店の売上の合計が増えていることになります。

売上の中身は決済などの割合が大きい
Shopifyの売上は大きく2つに分かれます。

Merchant Solutionsは、Shopifyペイメントなどの決済の手数料、店への融資、配送ラベルなど、店の取引から入る売上です。29億600万ドルで35%増、売上の約8割を占めます。
Subscription Solutionsは、Basic・Grow・Advancedなどのプランの月額と、App Storeのアプリやテーマの手数料などです。8億3,600万ドルで20%増でした。毎月決まって入るプランの額は2億3,000万ドルで、前の年の1億9,300万ドルから増えています。
決済などの売上のほうが速く伸びているのは、Shopifyが店の売上が増えるほどもうかる作りになっているからです。月額の料金を上げなくても、店が売れればShopifyの売上が増えます。今回の決算の発表には、プランの料金を変える話は書かれていません。
前の期との比較と、10〜12月の見通し

8月に発表された4〜6月期は、売上が34%増、手元に残るお金の割合が18%でした。今回は売上の伸びが2ポイント下がった一方で、残るお金の割合は4ポイント上がっています。
10〜12月期については、売上は前の年から30%台前半の伸び、粗利は20%台後半の伸び、費用は売上の29〜30%という見通しを出しています。年末商戦を含む時期でも、今と同じくらいのペースで伸びると見ている、ということです。
社長が強調したのはAIの中での販売
決算の発表で、社長は「あらゆる場所、あらゆるAIのエージェントに商売を広げている」という言い方をしています。同じ日のXの投稿でも「AIのエージェントが商売の新しい入口になる」と書きました。
Shopifyは2026年5月に、AIから来た人の注文は1〜3月に前の年の約13倍になったと公表しています。8月の4〜6月期の決算では、AIからの来店と注文がそれぞれ前の年の約3倍になったと話しました。
ただし、AIからの注文は全体から見るとまだ小さく、来店の数ではGoogleなどの検索のほうが多い状態です。秋の大型発表から続く「AIの中で商品が見つかり、そのまま買われる」仕組みへの投資は、今回の決算でも方針として変わっていません。AIからのお客さんの受け方は、ChatGPTの検索がGoogleの2割になったという話の記事にまとめています。
店にとって何が変わるか
決算そのものが、店の作業を増やすことはありません。管理画面の設定もプランも、今回の発表で変わったものはありません。
関係してくるのは、Shopifyを使うかどうかを決めるときです。乗り換えを考えるときに「このカートの会社は続くのか」を気にする方は多いと思います。売上が3割伸び、利益も手元のお金も増えている今の数字は、少なくともその心配に答える材料になります。
一方で、Shopifyのもうけの中心は店の取引から入る手数料です。Shopifyはこれからも、決済・配送・AIの中での販売のように、店の取引が増える機能に力を入れていくはずです。日本の店で使えるかどうかは機能ごとに違うので、新しい機能が出たら日本で使えるかを先に確かめてください。
10〜12月は1年でいちばん売れる時期です。年末商戦の準備はブラックフライデーの準備の記事に、AIの中で見つけてもらう準備はAIコマース対応の記事にまとめています。
さいごに
Shopifyの2026年7〜9月期は、取扱高1,191億ドルで29%増、売上32%増、営業利益66%増でした。店がやることは無く、Shopifyを検討している方には「伸びていて利益も出ている会社」という判断の材料になります。
毎月のShopifyの変更は、月次のアップデートまとめで取り上げています。Shopifyへの乗り換えやストアの構築については、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
