はじめに
- Shopifyでのストア構築を制作会社やフリーランスに依頼しようとしている
- 依頼してから公開まで、何か月かかるのか知りたい
- 発注側が何を、いつまでに用意すればよいのか分からない
このような方のための記事です。
この記事では、Shopify構築を依頼してから公開するまでの流れを、工程ごとの期間の目安と、発注側がやることに分けて解説します。最近担当した4つの案件の実際の経過と、Shopifyの公式ヘルプに書かれている決済の審査やドメインの待ち時間をもとに書いています。
構築費の相場はShopify構築の費用相場、依頼先の選び方はShopify制作会社の選び方、他カートからの乗り換えはShopifyへの移行費用と期間にまとめています。
依頼から公開までの流れと期間の目安
| 工程 | 期間の目安 | 発注側がやること |
|---|---|---|
| 相談・見積もり | 1〜2週間 | 作りたいストア、商品数、予算、公開希望日を伝える |
| 要件定義 | 2〜4週間 | 必要な機能を決め、アプリの月額を含めた費用を確かめる |
| デザイン | 3〜6週間 | ロゴや写真、参考サイトを渡し、デザインを確認する |
| 構築 | 4〜8週間 | 決済の申し込み、法的なページの文面、商品データを用意する |
| テスト | 約2週間 | テスト注文を通し、スマホで全ページを確認する |
| 公開 | 約1週間 | プランを選び、ドメインを切り替え、告知する |
全体の期間は、既存のテーマを活かす小規模なストアで2〜3か月、デザインから作るストアや他カートからのデータ移行がある場合で3〜5か月が目安です。基幹システムとの連携がある大規模なリプレースでは、要件定義から公開まで8〜9か月かかります。
最近の案件では、次のような経過でした。
- BASEから移行した焼き菓子の店は、機能の導入が中心で、6月に相談、7月中旬に着手し、10月1日に公開しました。着手から公開まで約2か月半です
- 新規にデザインから作っているペット用品の店は、6月にキックオフ、7月に契約とデザイン着手で、公開は10月末の予定です
- FutureShopから移行したアパレルの店は、要件定義に3週間、構築に約3か月かかりました。公開は、倉庫の在庫システムとの連携ができてからになります
- 基幹システムと連携する大規模なリプレースは、要件定義から公開まで8〜9か月の計画です
同じ「構築」でも、データ移行や外部のシステムとの連携があるかどうかで、期間は倍以上変わります。
工程ごとに発注側がやること
相談・見積もり
最初の相談で伝えるのは、作りたいストアの形、商品数、今使っているカート、予算、公開を希望する日の5つです。ポイント、定期購入、会員ランク、予約販売のように、標準機能にないものが必要なら、この段階で挙げてください。アプリで足す機能は月額費用がかかるので、見積もりの金額だけでなく、公開後に毎月かかる費用も一緒に確認してください。
要件定義
必要な機能と、それをテーマで作るか、アプリを入れるかを決めます。あわせて決めておきたいのが、Shopifyのストアを誰の名義で作るかです。
発注側がストアを作り、制作側をスタッフとして招待する方法と、制作側がストアを作って完成後に発注側へ移す方法があります。後者の場合、発注側へ移すまでは実際の注文を受けることも公開することもできません。Shopifyペイメントを有効にしていると移せないので、決済の申し込みは移した後になります。移した後は無料体験の対象外になります。
決済の申し込みを早く始めたい場合は、最初から発注側の名義でストアを作るほうが段取りが楽です。
デザイン
ロゴ、商品写真、参考にしたいサイトを最初にまとめて渡してください。素材が揃うまで、デザインは仮の画像で進むことになり、差し替えのたびに確認が増えます。
デザインの確認は、往復の回数よりも、1回の確認にかかる日数のほうが全体に響きます。社内の確認に1週間かかれば、公開もそのまま1週間延びます。誰が最終的に決めるのかを、この段階で決めておいてください。
構築
構築の期間中に、発注側で進めておくことが3つあります。
Shopifyペイメントの申し込み。 本人確認には、日本の写真付きの身分証をカメラで撮った画像が必要で、法人は登記事項証明書などが要ります。書類を出してからの審査は最大24時間ですが、JCBが使えるようになるまでは最大3週間かかります。公開の直前に申し込むと、公開日にJCBが使えないことがあります。
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法的なページの文面。 特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、返品・交換、配送のポリシーは、管理画面の[設定]>[ポリシー]に入れます。日本でShopifyペイメントを使うストアは、特定商取引法に基づく表記の掲載が必須で、チェックアウトの画面にも表示されます。文面は店ごとの内容になるので、発注側で用意してください。
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商品データ。 商品名、価格、説明文、写真、サイズや重量などを、制作側が決めた形式のシートかCSVで用意します。商品データは、次の章で書くとおり、公開が遅れる原因で最も多いものです。
テスト
公開の2週間前には、テストの期間を取ってください。Shopifyでは、テスト用の決済、Shopifyペイメントのテストモード、本物のカードで支払ってすぐ返金する方法のいずれかで、テスト注文を通せます。
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テスト注文では、注文確認のメールの文面と差出人、送料、地域ごとの配送料、クーポンの効き方を確かめます。スマホでの確認も欠かせません。ペット用品の店のテストでは、幅の狭いスマホでカートの「削除」が2行に折れ、ページが横にはみ出していたのを見つけて直しました。
公開
パスワードを外してストアを公開するには、プランの選択、ビジネス住所の登録、決済の設定とテストモードの解除が必要です。
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独自ドメインの切り替えは、DNSの変更が反映されるまで通常2時間以内、最大で2日かかります。SSLの証明書の発行にも最大48時間かかることがあります。公開の当日にドメインを切り替えるのではなく、数日前に切り替えて、ストアにパスワードをかけたまま反映を待つ段取りにしてください。
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そのドメインでメールを使っている場合は、メールの設定を壊さないよう、DNSの変更は必要なレコードだけにします。また、ストアから送るメールの差出人を独自ドメインのアドレスにするには、ドメインの認証が必要です。認証が終わるまでは、注文確認のメールなどが store+番号@shopifyemail.com の差出人で送られます。焼き菓子の店では、公開後に認証用のレコードのホスト名の綴りが違っていたことが分かり、登録し直してもらいました。
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公開が遅れる原因は、制作側の作業より「待ち」
担当した案件で公開が遅れた、または遅れかけた理由は、制作側の作業そのものではなく、ほとんどが次の4つの「待ち」でした。
商品データの入力待ち。 ペット用品の店では、商品のサイズと重量のシートの入力が遅れ、テストの期間を確保するために、公開を10月1日から10月30日に1か月後ろ倒ししました。商品データは数が多いほど入力に時間がかかるので、構築と並行して早めに始めてください。
外部のシステムとの連携待ち。 アパレルの店は、倉庫の在庫管理システムとShopifyをつなぐまで公開できない条件でした。連携には、相手のシステムの会社の設定作業と、テスト注文での取り込み確認が要ります。相手先の作業日程も含めて、早めに段取りを決める必要があります。
公開しないと進められない設定。 焼き菓子の店では、Googleの販売チャネルの接続が、ストアを公開してパスワードを外さないと進められない条件で止まりました。計測まわりの設定を最後の工程に回して、公開後に仕上げました。
アカウントの権限や認証の待ち。 広告用の計測タグの権限を付けてもらう手続きで、招待された側のアカウントの二段階認証が設定されておらず、承認が止まったことがあります。管理者の権限の付与は、構築の初めに済ませておくと安心です。
公開日の決め方
公開日は、先に決めて逆算するのが基本です。ただし、テストの2週間と、ドメインの反映待ちの数日は削らないでください。
既存のお客様がいる店は、告知から逆算します。焼き菓子の店では、公開の2週間あまり前に既存のお客様へメールで告知し、前日の朝に既存会員向けの先行販売、当日の夜に一般公開という順で進めました。ドメインの切り替えを先に済ませておけば、公開の当日にやることは、パスワードを外して告知を出すだけになります。
セールや季節の商品に合わせて公開したい場合は、その日を最初の相談で伝えてください。日付が決まっていれば、そこから逆算して、デザインや商品データの締め切りを決められます。
依頼する前に用意しておくと早く進むもの
- 公開を希望する日と、その日にしたい理由
- 商品数と、商品情報が今どこにあるか。スプレッドシートや、今のカートから出したCSVなど
- ロゴ、商品写真、参考にしたいサイト
- 必要な機能。ポイント、定期購入、会員ランク、予約販売など
- 決済方法と、Shopifyペイメントを申し込む名義
- 独自ドメインの管理会社と、そのドメインでメールを使っているかどうか
この6つが最初に揃っていれば、見積もりの精度が上がり、工程のどこで誰の作業を待つことになるかも、早い段階で見えるようになります。
さいごに
Shopify構築の期間は、小規模で2〜3か月、デザインから作るストアやデータ移行がある場合で3〜5か月が目安です。遅れの原因は、商品データや外部の連携、審査といった「待ち」がほとんどなので、決済の申し込みと商品データの準備を構築と並行して始めると、公開日を守りやすくなります。
自分のところでは、Shopifyのストア構築を50万円から作業単位の見積もりで出しています。料金はサービスページ、実際の構築例は制作実績からご覧ください。
公開を希望する日と商品数をお問い合わせから送っていただければ、そこから逆算した進め方と、おおよその費用を回答します。