はじめに
- BASEで売上が伸びてきて、Shopifyへの乗り換えを考えている
- 商品やお客様、レビューをどこまでShopifyに持っていけるのか知りたい
- 検索やSNSから旧ショップに来ているお客様を、移行で取りこぼしたくない
このような方のための記事です。
この記事では、BASEからShopifyへ移行するときに、BASEから出せるデータと出せないデータ、旧URLの引き継ぎ、レビュー・顧客・定期便の移し方を解説します。BASEから移行した焼き菓子の店を担当した案件で、実際に移したもの、移せなかったもの、代わりにどうしたかをもとに書いています。
どちらのカートが手数料で得かはShopify vs BASE徹底比較、他カートからの移行全般の費用と期間はShopifyへの移行費用と期間にまとめています。
BASEから出せるデータ、出せないデータ
BASEのデータは、管理画面に入れる無料の「Apps」を使ってCSVで出します。
| データ | BASEから出す方法 | Shopifyへの移し方 |
|---|---|---|
| 商品 | CSV商品管理 App | Shopifyの商品CSVの形に直して取り込む |
| 注文 | 注文データダウンロード App | 受注履歴として残すなら、アプリかCSVで取り込む |
| 顧客 | 出せない | 注文のCSVから購入者の一覧を作る |
| レビュー | 出せない | 商品ページから集めて、レビューアプリに取り込む |
| 定期便の契約 | 出せない | お客様に新しいストアで申し込み直してもらう |
| 旧URL | — | 独自ドメインを使っていたかどうかで決まる |
注文データダウンロード Appは、1回に3万件まで出せて、請求先の氏名・住所・電話番号・メールアドレス、配送先、商品、支払い方法、発送状況が入っています。
BASEには、顧客の一覧をダウンロードする機能がありません。BASEのヘルプにも、現状では顧客情報をダウンロードできないと書かれています。
外部記事顧客情報はダウンロード可能ですか大変申し訳ございませんが、現状は顧客情報をダウンロードすることができません。help.thebase.in
Shopifyに顧客を移すときは、注文のCSVから購入者の氏名とメールアドレスを重複なく抜き出して、Shopifyの顧客CSVの形に直して取り込みます。焼き菓子の店でも、移したのは氏名とメールアドレスだけでした。注文のCSVから作るので、会員登録だけして一度も買っていないお客様は含まれません。メールマガジンを送ってよいかの同意も、取り込むときにどう扱うかを決めておいてください。
商品と注文については、BASEのCSVをそのままShopifyに取り込めるアプリもあります。Shopifyのブログで紹介されている移行アプリは商品・注文・商品カテゴリを移せますが、在庫数や発送状況は取り込んだ後に手で直す必要があります。
旧URLを引き継げるかは、独自ドメインを使っていたかで決まる
BASEの商品ページのURLは /items/数字 の形です。旧URLから新しい商品ページへ転送できるかどうかは、BASEで独自ドメインを使っていたかどうかで決まります。
BASEのドメインのまま運営していた場合、旧URLは引き継げません。 ○○.base.shop や ○○.official.ec のような、BASEが用意したドメインはBASEのものなので、Shopify側で転送の設定ができません。焼き菓子の店もこの形で、旧ショップに閉店の案内を出し、InstagramのプロフィールなどSNSのリンクを新しいストアに差し替えて対応しました。
独自ドメインを使っていた場合は、引き継げます。 BASEの独自ドメインは、www.example.com や shop.example.com のようなサブドメインを、CNAMEでBASEに向ける仕組みです。同じドメインをShopifyに向け直し、/items/数字 から /products/商品のハンドル へのURLリダイレクトをCSVで一括登録すれば、旧URLに来たお客様を新しい商品ページへ移せます。
Shopifyのリダイレクトは、404になるURLからしか転送できません。/items/数字 はShopifyには存在しないパスなので、標準のリダイレクトがそのまま動きます。カラーミーショップの旧URLのように、トップページにパラメータが付いた形ではないので、追加の仕組みは要りません。
外部記事URLリダイレクトの作成と管理URLリダイレクトを使用して、ウェブページから訪問者を新しいURLアドレスに誘導します。help.shopify.com
これからShopifyに移ることを考えているなら、移行の前にBASEで独自ドメインを設定しておくのも一つの手です。BASEのドメインのままより、移行のときに失うものが減ります。
レビューは、商品ページから集めて移す
BASEの商品レビューはCSVで出せません。焼き菓子の店は、最初の見積もりの段階では、手作業になるためレビューの移行を対象外にしていましたが、後から移すことになりました。
BASEのレビューは、各商品のページに公開されています。商品の一覧をBASEのサイトマップから取り、商品ごとにレビューを集めて、Shopifyのレビューアプリに取り込みました。
- 集めたのは41商品・307件。販売を終えた商品の分は対象外にしました
- 移したのはGOODの評価が付いたもので、店の判断で不要とした11件を除いた293件です
- BASEの評価は星の数ではないので、Shopify側ではすべて星5として入れました
- 投稿者の名前は公開されているデータに含まれていないので、すべて「匿名」で表示しています
商品のハンドルとBASEの商品の対応表を作っておくと、レビューの取り込みも、旧URLのリダイレクトも、同じ表から作れます。
定期便は移せないので、申し込み直してもらう
BASEの定期便で契約していたお客様は、契約をそのままShopifyに移せません。Shopifyの公式の定期購入アプリ「Shopify Subscriptions」が契約を取り込めるのは、ほかの定期購入アプリや別のShopifyストアからの移行で、BASEは対象外です。BASEからお客様のカードの情報を出す方法もありません。
焼き菓子の店では、定期便の2商品をShopify Subscriptionsで作り直し、お客様には新しいストアで申し込み直してもらう方針にしました。定期便のお客様は、継続して買ってくれている一番大事なお客様です。BASEの定期便を止める日と、新しいストアで申し込める日を先に決め、移行の告知と一緒に案内してください。
BASEからShopifyに移って変わること
焼き菓子の店では、移行に合わせて次のように運用を変えました。
- クール便の料金。 BASEでは商品ごとにクール便の料金を付けていたため、複数の商品を買うと二重にかかっていました。Shopifyは配送料をカート単位で計算するので、1回の注文に1回だけかかります
- 会員ランク。 年間の購入額に応じて顧客タグを付け、ランクの高いお客様だけが買える先行販売をしています
- レビュー。 購入したお客様だけが書けて、店が承認してから表示される形にしました
- URL。 商品やコレクションのハンドルを英字に統一しました
- アクセス解析。 GA4のプロパティをBASE用とは分けて、新しく計測しています
決済は、まずShopifyペイメントのクレジットカードだけで始め、コンビニ払いなどは必要になったら足すことにしました。日本のShopifyペイメントで使えるのは、クレジットカードとApple Pay、Google Pay、Shop Payです。BASEで受け付けていたコンビニ払いや後払いを続けるには、別の決済アプリが必要です。
BASEからの移行の進め方
BASE特有の作業を移行の流れの中に置くと、次の順番になります。
- BASEで独自ドメインを使っているか確かめる。使っていなければ、旧URLは引き継げない前提で告知を考える
- CSV商品管理 Appと注文データダウンロード Appで、商品と注文のCSVを出す
- 商品をShopifyに取り込み、BASEの商品とShopifyのハンドルの対応表を作る
- 注文のCSVから顧客の一覧を作って取り込む
- レビューを集めて、レビューアプリに取り込む
- 独自ドメインを使っていた場合は、旧URLのリダイレクトを登録する
- BASEのお客様に移行を告知し、定期便のお客様には申し込み直しを案内する
焼き菓子の店では、公開の2週間あまり前にBASEのお客様へ一斉にメールで告知し、前日の朝に既存の会員向けの先行販売、当日の夜に一般公開という順で進めました。着手から公開までは約2か月半です。公開までの段取りはShopify構築を依頼してから公開までの流れで詳しく書いています。
さいごに
BASEからShopifyへの移行は、商品と注文はCSVで移せますが、顧客の一覧とレビューは出せないので、注文のCSVや商品ページから作り直すことになります。旧URLを引き継げるのは、BASEで独自ドメインを使っていた場合だけです。定期便は移せないので、お客様への案内まで含めて計画してください。
自分のところでは、BASEからの移行を含むストア構築を50万円から作業単位の見積もりで出しています。料金はサービスページ、実際の構築例は制作実績からご覧ください。
BASEの商品数と、独自ドメインを使っているかどうか、定期便やレビューを移したいかをお問い合わせから送っていただければ、移せるものとおおよその費用を回答します。
